カリカリ小梅を手掛ける
山梨県の特産である甲州小梅は養蚕の衰退が梅の増反につながり、その豊かな自然を背景に県内の平坦地から山間地まで標高100mから800mに分布しています。
梅漬けは昭和30年代から行っておりましたが、カリカリ漬にするために先代正則は試行錯誤を繰り返し、小梅のカリカリ漬をつくりあげました。
漬物の低塩化にも苦労がありました。漬物と塩分は切っても切れない関係です。当時は塩度が高くないと日持ちしなかったのです。しかし、近年の低塩志向に沿った商品づくりをしなければなりません。昔ながらのしょっぱい梅(塩度20%)は売れないのです。初代正則は、おいしくてカリカリした低塩小梅(塩度10%)を開発し、商品化いたしました。
小梅の個包装の商品化
昭和58年頃から健康食品が注目され、2代目善隆は、甲州小梅の個包装(粋(いき)な小梅)技術開発の体制への取組みをいたしました。
粋な小梅は紅白の調味漬けした小梅を乾燥させ、ピロ包装した商品です。最初は天日で乾燥させてみましたが小梅に皺がよったりして思うように乾燥できませんでしたが、専用の乾燥機を導入し、適切な時間と温度設定でカリカリした食感を損なうことなく乾燥することができました。小梅をお菓子のように包装したのは画期的で、全国的にヒットし、小梅漬の消費拡大につながりました。
小梅干しの商品化へ
近年の商品開発として挙げられるのが、完熟した甲州小梅を梅干しにした(干し小梅)です。小梅を天日干しするためにビニールハウスを整備しました。真夏の暑い時期に小梅を干します。朝露のある早朝に干した梅がかごに張り付かないよう、かごを揺するのが日課となっています。大粒な南高梅と比較して、小粒なので食べやすく、味付けもしそ風味、はちみつ風味、昆布風味と揃え、売れ行きが伸びている商品です。
梅製品の製造メーカーとして長く歩んできた、会社です。これからも皆様に喜んで召し上げっていただける商品づくりに励んでまいります。